「お皿の中の宇宙」販売開始!/ 作家 草場一壽より制作によせたメッセージはこちら
モンゴルの死生観にインスパイアされて
「お皿の中の宇宙」は、陶彩画の技法を用いて作成し、お皿という焼き物に銀河を描いた作品です。
「モンゴル」と言えば、最近ではすっかり「相撲」のイメージになりましたが、モンゴル人民共和国が建国されたのが1924年です。それからは近代化が進む中、市場経済への過程で人々の生き方も大きく変わり、マンホール・チルドレン(ホームレスのことです。冬は極寒となるモンゴルでは路上生活はできず、マンホールを住処とする)と呼ばれる子どもたちが増え、叔父である古賀武夫(地球市民の会代表)らの有志がボランティアに駆けつけました。
そんなご縁があって、第三代大統領のときの建国祭に私もふくめてご招待を受け、私はそのお礼と平和への願いを込めて「大調和」という陶彩画を大統領に贈呈させていただきました。
前置きが長くなりましたが、そのとき大統領秘書官に聞いたお話のことが本題です。
モンゴルでは昔から羊や馬や山羊などの家畜の遊牧をしながら生活していました。草原を移動するため、人々はゲルとかパオと呼ばれるテントで暮らします。お隣同士、とても仲がよいそうですが、隣といっても、20キロも30キロも離れています。
草原を走り回るたくましいひとびともいつかは老いて遊牧生活が困難になります。いよいよ自らの限界を知るときが来るのですが、するとあるだけの酒を水筒に入れて馬に乗り、仲の良いお隣さんに別れのあいさつに行きます。それが終わると大草原で残りの酒を浴びるほど飲むのだと。
寝転べば、満天の星空。イメージしてみてください。雄大な大草原にひとり、頭上には果てなく広がる大宇宙と無限の星のきらめき・・・。まるでスクリーンのようにそこに映るのは自分の一生、だけでなく、過去世も来世も、宇宙のはじまりから未来にいたるまでが映し出されるのだそうです。そして、またこの大地に生まれてきて、また楽しい一生が送れるという絶対安心のなかでゆったりと大いなる眠りにつくのです――――そんなお話でした。
満天の星空と自分の一生が重なって、それが宇宙という大スクリーンいっぱいにひろがる。宇宙と「私」が一体に還るとき、それは生であり死であり、生もない死もない・・・。そのような死生観を「お皿の中の宇宙」という作品にしました。過去、現在そして未来を通じて、星はその寿命が尽きる最後の最後まで私たちの頭上で輝きを放ちます。この輝きこそ、すべての生き物が持つ「いのちの輝き」ではないでしょうか・・・。
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宇宙の中で
とってもちっぽけな存在なのに
私たちは小宇宙と名付けられました。
おこがましいことですが
そうであるなら
私の宇宙を大切にしたいと思います。
それを「いのち」と呼び合って。
深い闇の
ながい眠りのあとに
やって来たのですから
しっかりと目を開いて
星や光や無限や沈黙を見ていようと思います。
呼びかければ
こたえてくれる
そんな世界に生まれてきました。
いっときもひとりぼっちではなかったことを
忘れずに生きていこうと・・・
手のひらにすくえる星々を描いたお皿です。
草場一壽
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◎『お皿の中の宇宙』は、
光を吸収して蓄え暗闇でエネルギーを放出し光る蓄光の素材を用いて制作されておりますので、
お部屋を暗くすることでお皿の中に神秘的な宇宙が可視化できるようになります。
詳しくは、商品一覧「造形作品」カテゴリより、商品ページをご覧くださいませ
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