陶彩画家
草場一壽
Kazuhisa Kusaba
1960年、佐賀県生まれ。幼少より動物や自然など、「いのち」の営みに興味を抱き育つ。
1987年、隣接する有田町と共に有田焼の発祥の地である佐賀県武雄市を故郷とする草場は、地場産業の伝統技術に感銘を受け「有田焼400年の伝統を生かしつつ新しい芸術を創造したい」という思いで、「焼物の絵画」の構想を胸に数々の窯元の門をたたくも、その構想は、あまりに無謀な挑戦だと一蹴される。
しかし、「焼き物に絵を描くことでこれまでにない輝きを生む」という着想は、草場の中でますます強い思いとなり、今では世界的な陶芸家である葉山有樹氏の理解を得て「陶彩画」の研究に入る。
1990年に試行錯誤の末、絵付けと焼成を繰り返すという新技法を確立。以後、より深く美しい色と輝きを求めて研究を重ね、“焼き物の絵画「陶彩画」”がオリジナルの芸術として誕生した。2011年に、見る角度により色彩が変化する焼成技法を生み出し、陶彩画「時は今」を制作した。以降、陶彩画「時は今」は草場の代表作となる。
「陶彩画」を生み出して30年以上が経つ今も、草場オリジナルの芸術として「いのち」の表現への尽きぬ情熱を原動力に、アーティストとして日々進化し続けている。
年表
- 1987年 佐賀県有田に入り新しい表現「陶彩画」の模索と研究を始める
- 1990年 絵付けと焼成を幾度となく繰り返しながら色を出す新技法の確立と研究のため工房を開窯する
- 1992年 日本最大となる二十メートル陶壁画「鎮守の祭」制作
- 1996年 中国敦煌芸術院との交流開始。NHKテレビ『炎と生きる』で紹介 。「アイリメンバーユー」が映画「人間の翼」のポスターに採用される
- 1998年 アジア工芸展に出品。中国敦煌莫高窟・西千仏洞・楡林窟の非公開の壁画・塑像を視察
- 2001年 地方新聞のオピニオンとして一年間コラムを担当
- 2002年 米国シアトルマリナーズのトレーナールームに陶彩画「水の菩薩」が飾られる
- 2004年 陶彩画ギャラリーを佐賀県武雄市にオープン
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2005年
絵本「いのちのまつり ヌチヌグスージ」を執筆、サンマーク出版から全国出版
絵本としては異例のロングベストセラーとなる(シリーズ売上累計52万)
ヌチヌグスージはNHK・Eテレ「てれび絵本」で現在も放映中 - 2006年 モンゴル大統領に陶彩画「大調和」を献上。ダライ・ラマ法王十四世著書「思いやり」に陶彩画「大調和」掲載。ダライ・ラマ法王に陶彩画「大調和」を献上
- 2008年 絵本「いのちのまつり」が全国幼稚園「絵本大賞」を受賞
- 2009年 陶彩画作品集「観音力カード」発表。絵本「いのちのまつり」が、ボローニャ国際児童文学祭に日本代表作に選抜される
- 2011年 金沢医科大学にてホスピタルアート展を開催。世界初の試み、虹色に輝く陶彩画「平安」「時は今」を発表
- 2012年 草場監修の、陶彩画の新しい試みとして『いのち』をテーマにした祈りの空間(納骨堂)完成 ドキュメンタリー映画「地球が教室」初監督
- 2013年 2013年1月公開の映画[ストロベリーナイト~劇場版~」に虹色の龍[平安]、抽象画[陶酔」など美術協力。和歌山県 福生寺様“紫雲堂”に特別陶彩画「大日如来~金剛界~」を納める
- 2014年 開窯25周年の節目に佐賀ギャラリーを改装してリニューアルオープン
- 2016年 世界遺産 真言宗総本山 東寺にて個展を開催(以降定期開催)
- 2017年 古代ペルシャの華と称される玉虫色に輝く釉薬を使った作品を制作
- 2018年 絵本「いのちのまつり」シリーズ5作品中4作品が道徳の教科書に採用される 陶彩画家30周年記念の一環として銀座5丁目にギャラリースペース「龗 GINZA OKAMI」をオープン
- 2020年 還暦を迎え「自在~スパークリンググレイズ」シリーズを制作
- 2022年/2023年 日印国交70周年を記念してインド総領事館とインド大使館に「ラクシュミー」が飾られる